2023年10月23日、国内半導体設計大手のソシオネクストは、TSMC の最新の 3nm 車載プロセス「N3A」を採用したADAS (先進運転支援システム) 及び 自動運転向けのカスタムSoC (System-on-Chip) 開発に着手した事を発表した。このSoCは2026年の量産開始を予定しているという。

同社の吉田 久人 取締役執行役員乗務・グローバル開発本部長は、「車載用SoC開発にTSMCの最先端プロセス・テクノロジーを採用してきた歴史を継続できることを嬉しく思う。ADAS 及び 自動運転分野が成長を続ける中、当社のお客様は、製品の差別化とハードウェアコンピューティングとソフトウェアプラットフォームの最適化を実現するために、カスタムSoCソリューションに投資している。ソシオネクストの豊富な経験により、マルチコアCPU、AIアクセラレーション、画像・映像処理、高速インターフェイスの高度な統合と、セキュリティー、機能安全のサポートに対するお客様の要望を満たすことで、お客様が次世代の自動車プラットフォームを構築することを可能とする。TSMCは、車載向けだけではなく、コンシューマやインダストリアル向けからデータセンターやネットワーク向けまで、幅広い用途の半導体製造におけるソシオネクストの重要なパートナーである。」とコメントした。

TSMCの3nmノードプロセス N3Eは、前世代の5nmテクノロジーであるN5と比較して、同一電力で18%の速度向上、または同一速度で32%の電力削減が可能で、加えて約60%の論理ゲート密度の向上を実現している。次世代ADASや自動運転に求められる高いコンピューティング性能は、バッテリ寿命や走行距離の改善要求と競合します。このため、3nmテクノロジーによるPPAの改善は、将来の電気自動車 (EV) 向けSoC開発にとって重要な要素であるとしている。

現在、ソシオネクストでは、TSMCの5nmプロセスである N5Pを用いて高度ADASや自動運転に対応したチップの量産を行っている。