半導体メモリ大手、キオクシアは5月15日、2023年度通期の決算を発表した。これによると、売上高は前年度比2,055億円減の1兆766億円、営業利益は同1,537億円減の2,527億円の赤字、純利益は同1,056億円減の2,437億円の赤字となった。赤字は2期連続で、過去最大となった。

同社は業績について、「年度後半はフラッシュメモリメーカー各社の生産調整等による需給バランス改善から回復基調が鮮明となるも、年度前半までの大幅な販売価格下落の影響により、通期では減収減益となった」と説明している。年度前半の不振が足を引っ張り、通期では振るわなかったものの、業績は徐々に回復基調にあるとした。

実際、2023年度第4四半期（1～3月期）には、需給バランス改善によって販売単価の上昇が進み、売上高は前期比601億円増の3,221億円、営業利益は同1,089億円増の439億円の黒字、純利益は同752億円増の103億円の黒字となった。四半期業績が黒字に転じたのは6四半期ぶりである。

同社は市場動向及び今後の見通しについても説明。フラッシュメモリについて、需給バランスは改善し販売単価は引き続き上昇しているとした。PC及びスマートフォン向けについても顧客の在庫水準正常化により回復、今後は買い替え需要も期待されるとした。また、データセンター・エンタープライズSSDについては、2024年後半に向かって回復の傾向がみられ、AI用途の高密度・高容量SSDなどの需要増が見込まれるとした。

業績予想までは示されていないものの、同社の収益は2024年度に大幅な回復が期待される。

出典：キオクシア　ニュース