日立化成は2020年8月21日、第5世代移動通信システム(5G)や先進運転支援システム(ADAS)、AI等の分野で求められる、低伝送損失および低そり性を実現するプリント配線板用高機能積層材料「MCL-HS200」の量産を2020年3月から開始したことを明らかにした。
新材料では、低極性樹脂材料、低誘電ガラスクロスの適用などにより、伝送損失を低く抑える特性(低誘電正接特性)を備えるとともに、比誘電率を下げ、信号遅延を低減した。また、低熱膨張樹脂の適用、フィラー高充填化などにより薄型モジュールに要求される優れた低そり性(低熱膨張特性)を実現している。加えて、同社が保有する半導体パッケージ用基材の低熱膨張化技術と、高速通信用の多層基板材料の低誘電率化技術を融合することで、低熱膨張特性については熱膨張係数(CTE)10ppm/℃、低誘電率特性については誘電率(Dk)3.4(10GHz)という、高次元での低伝送損失と低信号遅延、低熱膨張特性の両立を可能にしている。