荏原製作所は12月19日、南関町の熊本工場で建設を進めていた新生産棟(K3棟)が完成したと発表した。2025年度第2四半期からの稼働を予定しており、CMP装置をはじめとした半導体製造装置を製造する。

熊本工場は同社の半導体製造装置の量産に特化した生産拠点。現在、K1棟とK2棟の2棟が稼働しているが、近年の半導体市場の急成長を背景とした製造装置の生産能力の拡大の必要性から、2023年10月にK3棟の建設に着工した。

K3棟は地上4階建て。建築面積は約7700平方メートル、延床面積は約19,400平方メートルとなっている。投資額については非公表。また、新たに数百人規模の雇用を予定している。

K3棟が稼働すれば、CMP装置の生産能力は1.5倍に拡大し、生成AIや自動運転向けの需要にも対応する。なお、同社のCMP装置は同じ熊本県内に進出した台湾・TSMCの台湾工場でも使われており、2025年1~3月に建設開始予定となっている熊本第2工場にも導入される見込みである。

同社は「K3棟の稼働により、お客さまのニーズに柔軟に対応できる安定した生産体制を確立していく」とした。