DRAM価格が、昨年末頃より、急激に上昇している。
サムスンとSKハイニクスを雄する、韓国の2月1日〜20日のメモリ輸出額は10億7,300万ドルで、1月の同期間と比較し、14.9%の増加を示した。通常、2月は新製品も出ない、閑散期であると言われているが、この期間に前月比で伸長することは異例であるという見解が示された。

現在、DRAM市場は供給者優位に転じており、PC向け主流のDDR4 8G 2400Mbps品の現物価格は、メモリバブル期の水準である4ドルに22ヶ月振りに達した。
2月25日の4.28ドルという金額は、1月末から16.1%の上昇を見せている。また、サーバ向けDRAMでは、グーグル、アマゾン、Facebookといった巨大IT企業がサーバーへの投資を加速させており、需要増加が見込まれる。スマートフォン向けも、世界的な半導体不足を背景に、OPPO、シャオミなど中国のスマートフォンメーカーを中心に、華為の今後空くだろうシェアを奪うために在庫を積極的に確保している。

その一方で、サムスン電子、SKハイニックスなどDRAMメーカーは今後、短期間で急激に生産量を増やす予定が無いとされる。今年は、先端技術を適用した製品の量産など、「技術力の向上」と「原価競争力の強化」に注力する計画とされる。SKハイニクスは、DRAM製造棟に同社初のEUV露光装置を設置し、21年下半期より1a-nmプロセスに適用させる予定としている。更に2025年12月までにASMLへ4,500億円を支払い、20台のEUV露光装置を購入する契約を結んだことを報じられている。(金額は設置費込み)

一方、今後の価格見通しは、4〜6月期のサーバ向けDRAM価格は「8〜13%上昇」から「10〜15%上昇」へ上方修正された。

また、米半導体調査会社のIC Insightsは、2021年のDRAMの成長率を18%とするなど、今後もDRAM価格は需要と供給のバランスが整わずに、上昇していくと見られている。