新電元工業は2020年11月6日、新たな事業構造改革を発表した。同改革は開発体制の再編、生産体制の適正化、不採算部門の整理、人員の適正化を柱とする。2022年度中にすべての処置を完了する予定で、同年度に約36億円の増益効果を見込んでいる。
開発体制に関しては、飯能工場の各種開発機能を2021年4月開設予定の朝霞事業所および国内生産会社に移設する。これに伴い飯能工場のクリーンルームを2021年3月をもって閉鎖する。なお、朝霞事業所には機能も移転する。
生産体制については、以下のような対応を進める。
秋田新電元のパワーモジュール生産ラインの一部をタイのランプーン新電源に統合する。秋田新電元には次世代パワーモジュール製品の生産ラインを構築する。
半導体関連では、東根新電元でクリーンルーム1棟を閉鎖、前工程の稼働率を20%程度改善する。飯能工場のクリーンルーム閉鎖を含めて、国内のクリーンルーム棟数は5棟から3棟体制に変更する。しかし、秋田新電元、東根新電元で、対応ウェーハのインチアップ(150mm化)を進めることで、前工程の生産能力を30%程度向上させる計画である。
電装品では、国内生産品の一部を海外海外工場へ生産移管する。海外では、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、中国の生産体制の見直しを進める。
不採算事業に関しては、太陽光発電向けパワーコンディショナ製品の生産を計画的に終了する。
人員については、海外生産工場ではすでに適正化を進めているが、国内においても2021年3月期中に10%程度の人員の削減を図る。