東京エレクトロン(TEL)は2025年6月16日、ベルギーの半導体研究開発機関のimecと結んでいる戦略的パートナーシップを5年間延長すると発表した。両者は1995年から提携関係にある。imecの拠点にTELの装置を設置し、パターニングやロジック、メモリ、3次元実装などの分野で共同研究を進めてきた。現在、TELからimecには技術者など社員約40人が派遣されている。

両者は長年の協力関係により、高NA EUVリソグラフィを初め、エッチングや洗浄、成膜などの分野での技術革新に貢献してきた。2021年には金属酸化物レジスト(MOR)を含むEUVフォトレジストを使った、パターニングソリューションの開発を進めると発表。その成果として塗布現像技術を共同開発し、欠陥制御の大幅な改善を実現したことが、EUVプロセスの量産適用につながった。

こうした中、次世代技術の開発をさらに加速させるため、戦略的パートナーシップの延長を決定。2nm世代以降の次世代パターニング、次世代ロジックデバイスやメモリの開発、3次元実装などの研究開発を行う。特に、高NAパターニング技術および次世代CFETデバイスに必要な成膜やエッチング技術を共同開発する。

TELの代表取締役社長・CEOの河合利樹氏は今回のパートナーシップにより、「先端世代における重要な開発を加速し、技術革新の最前線における当社の地位を確固たるものにする」としたうえ、「高NAリソグラフィだけではなく全工程を手がける。技術のイノベーションに対して前工程も後工程も関係なしに手がける」と述べた。

imecのCEOであるLuc Van den hove氏は今回のパートナーシップについて、「TELのテクノロジーリーダーシップを強化すると同時に、imecの先端半導体研究における世界的ハブの地位を強固なものとする」と意気込みを述べた。

出典:東京エレクトロン ニュースルーム