キオクシアは2020年10月29日、3D NAND型フラッシュメモリの生産能力増強のため、四日市工場に第7製造棟(Y7棟)を建設することを発表した。新棟は現在の敷地の北側で造成を進めているスペースに建設する。新棟は2期に分けて建設し、第1期分については2022年春の竣工を計画している。2期分合計の建屋面積は約合計で約4万平方メートルに達し、同社工場としては最大規模となる。また、地震の揺れを吸収する免震構造を採用するとともに、最新の省エネ製造設備を導入するなど環境面にも配慮したものとする予定。AIを活用した生産システムの導入などを通じ、生産性の向上も図っていく。
新工場への設備投資規模は約1兆円程度が見込まれており、米Western Degital(WD)社と折半する。ただし、工場建設費用はキオクシアが負担する。建屋建設投資は営業キャッシュフローの範囲内で行う計画となっている。
なお、新棟が建設される土地は2020年6月から造成を開始したもので、面積は16万3,000平方メートルとする計画である。
3D NAND型フラッシュメモリ業界など、再編・大型投資の動きが活発化している。2020年10月には韓国SK Hynix社が米Intel社のフラッシュメモリ事業を買収することを発表した(買収額は約90億米ドル)。韓国Samsung Electronics社は2019年末に中国・西安のフラッシュメモリ工場に80億米ドルの追加投資を行っている。また、中国の長江ストレージ科技(YMTC)も強化を進めている。このような動きに対応するため、キオクシアも積極的に大型投資に乗り出した。