IBMは米国時間8月17日、次世代POWERプロセッサの「IBM POWER10」を発表した。
このプロセッサは、IBMとしては初の7nmルールの商用プロセッサとなり、製造は10年以上共同開発を実施してきたサムスン電子で行われる。

このPOWER 10プロセッサは、処理能力と効率性の向上に重点をおいて設計されたとしている。
IBM POWER9と同じパワーエンベロープでありながらも、エネルギー効率とキャパシティーを最大3倍まで高め、処理能力が向上。さらに、マルチペタバイト級のメモリ・クラスタが利用可能になった事によりSAP等のISV、大規模AIモデルの推論のようなメモリ集約型ワークロードに対して、クラウドのキャパシティを高めることが出来るという。

更に、現在の主要な暗号化規格および、耐量子暗号/完全準同型暗号といった今後予定されている暗号化プロトコルの両方に対応するAES暗号化エンジンが追加され、エンドツーエンドのセキュリティーと高速暗号化の処理能力を実現するハードウェア・メモリー暗号化が可能となった。
現在、最も使われている暗号化規格を使用した社内テストの測定結果によると、IBM POWER10はIBM POWER9よりも40%速くデータを暗号化することが可能という。

その他にもPOWER9と比較してソケットあたり32ビット単精度浮動小数点演算で10倍、16ビット半精度2進浮動小数点演算(BFloat16)で15倍、8ビット整数演算(INT8)で20倍も高速な処理が可能になるとしている。