GNC letter
GNCレター
米半導体大手、GlobalFoundries(GF)は2025年11月10日、台TSMCと650V及び80V窒化ガリウム(GaN)技術に関するライセンス契約を締結したと発表した。これによりGFはデータセンター、産業、車載電源用途向けなどの次世代GaN製品の開発を加速させるとともに、米国拠点におけるGaNの製造能力を確保する。
GaNは従来のシリコン(Si)と比べて高耐圧、低損失、高速スイッチングなどの面で優れており、高効率化や小型化が可能なことから、次世代パワー半導体向けソリューションとして注目されている。GFは電気自動車、データセンター、再生可能エネルギー、急速充電などに使用される高性能の650V、80V技術を含む、包括的なGaN製品ポートフォリオを開発している。また、同社のGaNソリューションは過酷な環境にも対応し、プロセス開発~アプリケーション統合にわたる包括的な信頼性アプローチを採用している。
TSMCは2023年頃からGaN-on-Silicon技術の研究開発をはじめ、2025年には米バーモント州バーリントン工場での650V、80V GaNチップの量産開始を計画していた。ところが、同社は同年7月にAI向け先端ロジック・先端パッケージング分野に集中することを目的にGaN事業から段階的に撤退し、2027年7月31日をもってGaN事業を完全終了することを発表していた。
GFはTSMCとのライセンス契約により、TSMCの持つ成熟した650V、80V GaN技術を導入することにより、GaNソリューションの開発を加速化させる。また、GFのバーモント州バーリントン工場において高電圧GaN-on-Silicon技術における専門知識を活用し、顧客向けの量産体制を整える。同工場での開発は2026年初頭に開始され、同年後半には製造が開始される計画だ。
GFのパワービジネス担当シニアバイスプレジデントのTéa Williams氏は、「(TSMCの) 実績あるGaN技術を追加することで、次世代GaNチップの開発を加速し、データセンターから自動車、工場の現場に至るまで、ミッションクリティカルな用途における重要な電力課題に対応する差別化ソリューションを提供する」と述べた。
出典:GlobalFoundries PressRelease
半導体/MEMS/ディスプレイのWEBEXHIBITION(WEB展示会)による製品・サービスのマッチングサービス SEMI-NET(セミネット)