欧州開発銀行(以下 EIB)は2022年3月2日、スイスのSTMicroelectroncis社が行う欧州域内での研究開発および産業化の前段階となる要素技術開発に対して、6億ユーロの支援(ローン設定)を行うことを発表した。具体的には、この資金は、STのイタリア(Agrate、Catania)、フランス(Crolles)の工場での環境やデジタル・トランスフォーメーションをテーマとする研究開発に向けられる。
これはEIBが進めている欧州の半導体産業育成プロジェクトの一貫。EIBでは現在の世界の半導体市場規模は5,000億ユーロで、2030年までには市場規模が倍増すると予想している。しかし、欧州の半導体生産能力は、世界の生産能力のうち、10%強にとどまっており、2000年の24%、1990年の40%と比較すると大幅に地位が低下している。このため、EIBでは世界市場での欧州半導体産業の地位向上を目指して、欧州の半導体企業の競争力を高めるためのの支援を進めている。それによって、2030年までに欧州の半導体生産能力の世界シェアの20%にまで拡大することを目指している。