シリコンウエハを手掛ける独・Siltronicは3月22日、南部バイエルン州のブルクハウゼン工場における小口径のポリッシュドウエハ及びエピタキシャルウエハの製造を段階的に削減し、2025年に終了すると発表した。なお、未研磨のウエハに関しては対象外となる。

同社は現在、300mm、200mmの大口径ウエハと共に、150mm以下の小口径ウエハを製造している。近年では大口径ウエハにおける技術的ブレイクスルーが甚だしく、最も高い成長の可能性も示している。特に300mmウエハについては年平均6%の増産が見込まれている。

大口径ウエハにおける需要増加に反比例するように、小口径ウエハの需要は減少している。25年前にはシリコンウエハ市場の半分以上を小口径ウエハが占めていたが、現在では5%未満となっている。同社の連結売上高に占める小口径ウエハの割合も1桁台にまで落ち込み、同社の収益に悪影響を与えている。半導体産業の大幅な技術の進歩により、顧客は小口径ウエハを使用した製品の生産を減らしているほか、中国との競争にも不利であるために今後も収益性は見込めず、2025年までに小口径ウエハの製造を終了することを決めた。

この決定により、現在小口径ウエハ製造に従事するおよそ400名の従業員が削減される。但し、このうち約半数が有期雇用及び臨時雇用であるため、製造を一度に打ち切るのではなく段階的に減らすことで、業務上の理由による解雇は避けることができるとしている。

同社CFOのClaudia Schmitt氏は、小口径ウエハの製造終了について、「困難ではあるが必要な措置であると判断した」と述べると同時に、「小口径ウエハの生産終了とそれに伴う解体措置が必要になった後、当社のEBITDAマージンは中期的に1~2%程度改善するだろう」と述べた。

同社の小口径ウエハはブルクハウゼン工場で1968年から製造され、長年にわたり同社の収益を支えてきたが、技術の飛躍的進歩により、その役目を終えたことになる。今後はより成長力のあり、収益性の見込める300mmを中心とした大口径ウエハの製造に集中していくことになる。

出典:Siltronic Press Release