ソニーグループは熊本県内に2か所目となる半導体工場を合志市に建設する方針を明らかにした。同市で新たに約27万平方メートルの用地を取得し、数千億円規模の額を投資して建設する。

2025年以降に稼働を開始する予定である新工場では、同社の主力製品である画像センサーが生産される。画像センサーの主な用途であるスマホ市場は現在停滞気味ではあるものの、車載や産業向けの増加もあり、中長期的に成長が見込まれている市場であり、同社の今回の計画は将来の市場拡大を見据えた投資ということになる。ソニーセミコンダクタソリューションズの清水照士社長は「(画像センサー事業の)成長機会を確実にとらえることで、(目標としている)60%のシェアを達成したい」と述べている。

今回の取得予定地の近くにはソニーの既存工場と、JASM熊本工場が立地している。これに加え、東京エレクトロン九州、TSMCが建設中の新工場があるため、関連技術の速やかな導入が可能となり、生産力の大幅な向上が期待される。

また、最近では熊本以外でも半導体関連各社の九州への進出の動きが活発である。そのため、ソニーの今回の投資計画は、TSMCの進出によって活性化された「シリコンアイランド九州」復活の動きを一層後押しするものになると見込まれる。