米Applied Materials(AMAT)社は、2023年2月28日、EUVリソグラフィ工程を簡素化し、生産性を高めることができる新装置「Centura Sculpta」を発表した。現在、EUVの解像限界を超える微細パターンを形成するには、ダブルパターニング技術を採用している。ダブルパタ—ニングはEUVによるリソグラフィ工程を2回行う必要があり、工程が複雑化し、時間もコストもかかるという問題があった。「Centura Sculpta」では1回のEUVリソグラフィで形成したパターンを、角度をつけたリアクティブイオンビームにより任意の方向に引き延ばすことによりパターン間のスペースを狭めることで、パターン密度を向上させることできる。これによりダブルパターニングと比較して、プロセスステップを大幅に削減、歩留り向上、コスト低減を可能にする。
AMATでは同装置の導入により、月10万枚のウェーハ投入あたり資本コストを約2億5,000万米ドル節減、製造コストはウェーハ1枚あたり約50ドルの節減が可能になるという。また、省エネ化にも効果を発揮するとしている。