台湾電機大手の鴻海精密工業(Foxconn)と米の半導体大手NVIDIAは2025年5月19日、最先端の「AI Factory」スーパーコンピューティングセンターを共同で台湾南部に建設すると発表した。

このスーパーコンピューティングセンターは鴻海がシステムの製造を担い、NVIDIAの新型AI半導体である「NVIDIA Blackwell GPU」1万基が搭載される予定。具体的には、「NVIDIA Blackwell Ultraシステムが採用され、その中にはNVIDIA GB300 NVL72ラック規模ソリューションが含まれる。これらは、NVIDIA NVLinkによる高速インターコネクト、NVIDIA Quantum InfiniBandおよびNVIDIA Spectrum-X Ethernetネットワーキングといった最先端技術によって接続され、膨大なデータを効率的に処理する能力を持つ。このシステムにより、従来のシステムと比べ、「桁違いに高速なパフォーマンス」が実現されるとする。

また、半導体受託生産最大手のTSMCの研究者は半導体の研究開発にこのシステムを活用し、開発スピードを飛躍的に加速させる計画である。

NVIDIAの創業者兼CEOであるJensen Huang氏は「Foxconnおよび台湾との提携により、台湾のAIインフラの構築を支援し、TSMCをはじめとする主要企業によるAIとロボティクスの時代におけるイノベーションの推進を後押しできることを大変嬉しく思う」と述べた。

Foxconnの会長兼CEOであるYoung Liu氏は、「NVIDIA および TSMC とこの AI ファクトリーを建設することで、台湾の人々だけでなく、政府機関や TSMC のような企業を結び付け、イノベーションを加速させ、産業を強化するための基盤を築く」と、その重要性を強調した。

また、台湾のNSTC(National Science and Technological Council)のWu Cheng-Wen大臣は、「我々の計画は、台湾南部にAIに焦点を当てた産業エコシステムを構築することです。最終的な目標は、スマートシティで満たされたスマートAIアイランドを創造すること」であり、今回の協業がそれに向けた重要な足掛かりであることを強調した。

なお、スーパーコンピューティングセンターの建設スケジュールと稼働時期については明らかにされていない。

出典:鴻海精密工業 最新消息