三菱ケミカルグループは6月12日、フォトレジスト用感光性ポリマー「リソマックス」の量産設備を三菱ケミカル九州事業所・福岡地区に新設すると発表した。投資額は数十億円を見込み、2025年秋の稼働を目指す。

フォトレジスト用感光性ポリマーは半導体の回路パターンをウエハに転写するフォトリソグラフィ工程で使用されるフォトレジストの主成分となる樹脂。同社のフォトレジスト用感光性ポリマーはこれまで関東事業所・鶴見地区(神奈川県横浜市)で生産してきたが、更なる微細化に不可欠なArFフォトレジストや最先端製品であるEUVフォトレジストは日本企業が9割のシェアを持ち、今後も成長が見込まれることから、生産設備の増強を決めた。

九州事業所に新設される量産設備では、ArFフォトレジスト向けを2025年10月から製造し、既存設備と合わせて生産能力は2倍以上になる。また、EUVフォトレジスト向けの製造も同年9月から開始する見込み。EUVフォトレジスト向けは関東事業所に実証プラントを設けサンプル出荷をしていたが、量産は初となる。

同社製品である「リソマックス」は金属含有量や不純物が少ないため、半導体の回路の微細化にともなう高度な品質要求に対応できるという強みを持ち、多くのフォトレジストメーカーが採用している。

出典:三菱ケミカル