日立製作所は11月2日、同社の子会社で電力制御に使うパワー半導体製品などを手掛ける事業を展開する日立パワーデバイスの全株式をミネベアミツミに譲渡することを発表した。譲渡時期は未定だが、2023年度中に譲渡が行われる見込み。買収価格も非公開としているが、400億円程度とみられる。

日立パワーデバイスはパワー半導体分野において、「IGBT・SiC」、「高耐圧IC」、「ダイオード」の3つを主力製品群とし、高耐圧・低損失技術を生かした製品を手掛ける。IGBT・SiCでは、鉄道向けをはじめ、EV、風力発電機向けインバータなど、脱炭素社会実現に向けて高成長が見込まれる市場分野に注力している。また、産業・家電向け高耐圧ICでは、システム高効率化と低騒音化に貢献するモーター制御技術・ソフトウェアを開発し、ダイオードでは、車載向け製品を長く提供している。

同社を買収するミネベアミツミは主力とするベアリング、モーターなどと共にアナログ半導体分野にも注力してきた。同事業では、リチウムイオン電池保護IC、電源IC、MEMSセンサー、車載用メモリなどのほか、IGBTをはじめとするパワー半導体のウエハ製造を手掛けている。同事業の現在の売上高は800億円規模だが、2030年度にはM&Aを含め3,000億円規模へと成長させることを目標とする。日立パワーデバイスのパワー半導体の製品化技術を取り込み、そこにミネベアミツミの精密加工技術を生かすことで更なる成長を目指せると判断した。

日立製作所は、日立パワーデバイスがパワー半導体市場で成長を続けるには、アナログ半導体事業をコア事業の一つとするミネベアミツミのもとで、生産能力拡大と製造効率向上に取り組んでいくことが最適な方法であると判断し、今回の決定に至った。

ミネベアミツミは日立パワーデバイスについて、高耐圧SiCパワーデバイス、高耐圧IGBTなどのパワー半導体において「豊富な技術開発力を背景として、優位性の高い技術/製品を有している」と評価しており、買収により、アナログ半導体事業の売上高を早期に2,000億円に引き上げることを目指すとしている。