半導体テスタ大手のアドバンテストは2025年7月29日、2025年度(2026年3月期)第1四半期の決算を発表した。売上高は前期比13.5%増、前年同期比90.1%増の2,637億7,600万円、純利益は前期比125.6%増、前年同期比277.7%増の901億8,000万円となり、ともに四半期ベースで過去最高を記録した。

セグメント別の売上高としては、テストシステム事業が前期比17.8%増、前年同期比105.1%増の2,406億円となり、中でもSoCテスタの売上高が前期比28.5%増、前年同期比176.8%増の1,913億円と大幅な伸びを見せた。高性能化や複雑化の進むHPC(High Performance Computing)やAI(人工知能)関連の需要が強く、対米ドルで前期よりも円高になったものの、SoCテスタの出荷が大幅に伸び、同社の業績を支えた。

一方、サポート・サービス事業の売上高は前期比17.8%減、前年同期比8.4%増の232億円となり、安定して推移を見せているものの、ナノテクノロジー製品の売上減により、前期比ではマイナスとなった。

地域別の売上高では、台湾向けが前期比21.7%増、前年同期比290.6%増の1,621億円と突出した。米国の複数ファブレスにおけるハイエンドSoC向けでの品質保証強化を背景に、関連ファウンドリやOSAT向けの需要が増加したことによる、SoCテスタを中心とした売上の伸びが顕著だった。

同社は2025年度通期の業績予想についても発表。売上高を前年度比7.1%増の8,350億円、純利益を同37.4%増の221億5,000万円と上方修正した。全社売上高のうち、SoCテスタの売上高は同21.0%増の5,330億円と見込む。AI関連需要が予想を上回る強さを見せていることに加え、同社の供給能力の強化を鑑み、修正に至ったという。

同社のラフィーバCEO(最高経営責任者)は「下期にかけて上期の前倒し需要の反動もあるが、顧客の投資動向をみるとGPUやASIC向けなどの需要は今後立ち上がる」とし、更なる業績の伸びに期待を示した。