インドの大手財閥、TATAグループの傘下のTATA Electronicsは9月10日、半導体製造装置を手掛けるシンガポールのASM Pacific Technology(ASMPT)と提携すると発表した。先日発表されたTATA Electronicsと東京エレクトロンの提携に続く半導体製造装置大手メーカーとの業務提携となる。

TATAグループはインドを代表する財閥で、ITや自動車などの有力企業を抱える。近年、半導体事業の開拓に意欲を示しており、グジャラート州ドレラに同国初の半導体前工程工場、アッサム州ジャギロードに後工程工場を建設する計画である。インドのモディ政権は製造業支援策「メーク・イン・インディア」を掲げ、補助金などを通じて半導体産業の誘致・育成を行っており、これを支援する方針だ。

今回の提携により、ASMPTは人材育成や自動化、サービスエンジニアリングインフラ、スペアサポートの向上からワイヤボンド、フリップチップ、先端パッケージング、統合システムパッケージングの分野における研究開発イニシアチブの強化といった部分で支援する。

TATA ElectronicsのCEOのRandhir Thakur氏は「このパートナーシップは必須のトレーニングプログラムと高度な研究開発の強化に発展を置き、国内に活気あるエコシステムを育成する」と述べ、このパートナーシップの意義を強調した。また、ASMPTのCEOのRobin Ng氏は「両社の専門知識とリソースを結集することで、半導体業界で大きな進歩を遂げる態勢が整う」としたうえ、「(提携が)技術革新を推進するだけでなく、将来の持続的な成長に必要な人材を育成することにもつながる」と述べた。