韓国のAI半導体メーカー、SAPEONは5月21日、同社が昨年11月に発表した新製品「X330」が米のサーバーメーカー、Supermicroのデータセンターのサーバーに装着可能な製品であるとして、検証を通過したと発表した。SAPEON製のAI半導体でSupermicroの検証を通過した製品は「X220 Enterprise」と「X220 Compact」に続いて3例目となる。 

 SAPEONはSKグループの携帯電話事業社・SKテレコムの系列社でAI半導体のスタートアップとして2022年1月に設立された。AI半導体基盤のハードウェアからAIアルゴリズム、AI基板サービスに至るソフトウェアまで、統合ソリューション戦略でAIサービスを提供している。最近のAIの急速な普及に対応するため、昨年600億ウォンの資金を調達したのに加え、今年はさらに2,000億円規模の資金調達を計画している。 

 「X330」は前作である「X220」に比べ、4倍以上の演算性能と、2倍以上の電力効率を実現する次世代データセンター向けAI半導体である。推論用NPU(神経網処理装置)である「X330」は既存製品に比べ、応用範囲が大幅に拡大され、より様々な分野で活用できるため、米NVIDIAの「L40S」 GPU(グラフィック処理装置)の競争製品となり得る。台TSMCの7nmプロセスで生産される「X330」は今回の検証に通過したことで、今年の上半期に量産が本格化される見込みである。 

 SAPEONのリュ・スジョン代表は「次世代AI半導体X330が、前作のX220に続いてSupermicroからサーバー適格性の検証を受けたことで、今後、大規模データセンターでの適用が拡大されることが期待される」とし、「SAPEONはデータセンター用半導体分野のリーディングカンパニーとして、Supermicroと協力し、高性能サーバーに最適なAI半導体をリリースし、市場の革新を主導していく」と述べた。