ロームは5月9日、2023年度通期の決算を発表した。これによれば、売上高は前年比7.9%減の4,677億円、営業利益は同53.1%減の433億円、純利益は同32.9%減と落ち込んだ。

市場別の売上高をみると、自動車向けは前年比7.7%増の2,294億円となったものの、産機向けが同16.8%減の747億円、民生向けが同17.5%減の927億円、コンピュータ&ストレージ向けが同28.6%減の505億円と大きな落ち込みを見せた。また、通信向けも同7.2%減の205億円となった。電気自動車の普及により、車載向け半導体の売上が好調であった以外は、在庫調整の影響で需要が低迷した。

同社は2024年度の見通しについても発表した。売上高は前年比2.6%増の4,800億円、営業利益は同67.7%減の140億円、純利益は同74.1%減の140億円を見込み、ともに市場予想を大きく下回った。自動車向けは引き続き安定した成長が見込まれるものの、産機向けの在庫調整が続くことが利益を下押しする。また、パワー半導体の生産能力増強に向けた設備投資も減益の要因となる。産機向けは下期以降、エネルギー関連、FAでは回復に向かうものの、2024年度中には完全には回復しない見通し。同社は2025年度に売上高を6,000億円以上とする計画を掲げているが、先行きは不透明である。

出典:ローム 決算資料