ニコンは2022年3月24日、多様な高精細パネルの生産が可能な、第8世代基板サイズ(2,200mm×2,500mm)に対応したFPD露光装置「FX-88S」を発売した。
「FX-88S」には、第6世代基板対応の「FX-68SH/68S」で高解像領域で量産実績のある、i線の投影レンズを搭載。それにより1.5μm(Line&Space:L/S)の高解像度での露光を実現している。また、「FX-68SH/68S」と同様の高精度フォーカス補正システムを踏襲し、基板全面で優れた線幅均一性を達成している。
アライメントに関しては、第10.5世代基板対応装置「「FX-103SH/103S」に搭載した大型ステージ制御技術と、「FX-68SH/68S」の高解像投影レンズを採用し、高精度アライメント(≦±0.40 μm)を実現している。また、複数の投影レンズで構成されたニコン独自のマルチレンズシステムにより、プレート面を局所的に補正することができるため、大型プレートの様々な歪み形状にも対応可能となっている。
生産性については、マルチレンズシステムにより、高い解像度で広い面積の一括露光を実現。4回のスキャンのみで、第8世代基板全面の露光が可能となっている。また、従来機種の「FX-86SH2」と比較して、ステージの駆動速度を30%以上改善し、タクトタイムを47秒/プレートへと大幅に向上させている。最大4本の光源の搭載が選択でき、高照度を必要とする露光プロセスにおいても、高生産性に寄与する。
これらの機能により、高解像、高精度で、広い面積を露光することが可能で、スマートデバイスやハイエンドモニタ、大型テレビなどの、様々な高付加価値プレミアムディスプレイ向けパネルを効率よく生産することを可能にする。