エア・ウォーターは8月26日、最先端半導体の国産化を目指すRapidusが北海道千歳市に建設中の半導体工場(Innovative Integration for Manufacturing, IIM-1)向けに、「CMPスラリー調合・供給システム」を受注したと発表した。

「CMPスラリー調合・供給システム」は同社子会社のエア・ウォーター・メカトロニクスが製造・販売する。同装置はスラリーの液種に応じて濃度や粒子径を均一化し、安定的かつ高精度に調合ができる強みを持つ。米国企業との提携による技術提供を受け、2006年から国内の半導体工場向けに最適な供給システムとして設計・製造している。

Rapidusの工場「IIM-1」は2nmの最先端半導体を製造する施設として、2025年4月に試作ラインを稼働、2027年に量産を予定している。同工場は製造工程の自動化を目指しており、今回、そのニーズを満たすため、同装置に原材料容器の自動搬送技術を組み合わせ、「IIM-1」向けに改良したものを納入する。同装置は1台あたり数億円で、受注台数については明らかにしていない。

エア・ウォーターは「今回の受注を契機として、今後さらなる設備投資の拡大が見込まれている国内の半導体工場に対し、こうした供給システム・ソリューション提案を推し進め、これまで以上に最先端の半導体工場の自動化・省人化・安定操業に貢献していく」としている。