国内半導体大手のロームは、2022年11月11日に、第2四半期の売上高を発表した。
4〜9月期の売上高は、前年同期比16.7%増の2,599億1,200万円となった。この好調の要因は、ADASやインフォテインメント向けの電源IC、車載向けのパワーデバイスや電動車向け絶縁ゲートドライバICが好調だったことによる。ロームでは、2023年3月期の売り上げを、円安の進行等の要因も踏まえて、前年比15.0%増の5,200億円と見込んでいる、

また、国内アナログ半導体大手のミネベアミツミも、2022年11月2日に2022年4〜9月期の決算を発表した。
同社の半導体事業を指すミツミ事業は半導体デバイスが好調に推移したことによって、売上高は前年同期比と比較し19.4%増加し、2,241億6,400万円であった。ミネベアミツミでは、リチウムイオン関連IC、電源ICをはじめとした、産業用機器に組み込まれるアナログICを多数生産しており、今回の結果からは川下産業からの引き合いが多かったことが見て取れる。
また、産業用イメージセンサーで世界首位、車載向けやアナログデバイスを生産するOnsemiも、2022年10月31日に、第三四半期の決算を発表した。同社の決算は前年同期比28.6%増、前期比5.1%増となり、これまでの四半期で過去最高となる21億9,260万ドルとなった。好調の要因としては、自動車と産業部門の業績が前年比41%増となり、今期の売り上げのおよそ7割を占めたことによる。
同社では、10〜12月期の予測も、今期の売り上げに近い2,010億ドルから、2,140億ドルを推定しており、引き続き好況を見込んでいる。

これらの決算の動向から、車載や産業用途、また、脱炭素に向けた用途においては、半導体チップは昨年以上の売り上げを示している企業も多く、HPCやNAND、DRAMといった高性能半導体を製造する企業は売り上げを落としているものの、一部の半導体の市場はまだまだ活性化していると見られている。

しかし、自動車や機械産業で用いられる半導体は、中国のゼロコロナによるライン停止や、昨年の半導体不足が尾を引いている時間が遅かったため、アナログ半導体大手のTexas Instrumentsのように、10〜12月期以降で成長が停滞する懸念も残ると言える。