住友化学は2025年11月20日、台湾の半導体用プロセスケミカル企業、Asia Union Electronic Chemical Corporation(AUECC)を買収すると発表した。今後、関係当局の承認などを経て年内に買収が完了する見込み。W買収額は非公表だが100億円規模と見られる。

AUECCは1998年に台湾で設立され、フッ化水素などの半導体用プロセスケミカルの開発・製造・販売を行う。台湾・高雄に製造拠点を持つほか、米ネバダ州にも製造拠点を有し、半導体用プロセスケミカルの幅広い製品ラインアップ、高度な品質管理体制に加えて、原料調達、製造から顧客ニーズに合わせたパッケージング、グローバル物流までの一貫した製品供給体制を強みとする。

今回の買収により住友化学の半導体用プロセスケミカル事業においては台湾初の製造拠点を獲得、米国ではテキサス州に次ぐ第二の製造拠点を獲得する。また、AUECCの持つ顧客ネットワークを活用し、素早い事業の拡大を目指す。

今後はAUECCの既存の拠点に住友化学が得意とする高純度化の技術の導入を進め、生産効率の向上を図るほか、製品の効率的な輸送や原料の集中購買などでも相乗効果を見込む。

住友化学は「本買収により、半導体用プロセスケミカル事業のリーディングカンパニーとしての地位を強固にし、2030年度に2024年度比約2倍の売上高実現を目指す」としている。