福岡県は8月23日、半導体分野に特化した人材育成拠点である「福岡半導体リスキリングセンター」を福岡県産業・科学技術振興財団の施設内に開所した。半導体産業の人材不足が深刻化する中、自治体が中心となる形で人材の育成に取り組む。

センターで開講される講座では、半導体の設計や製造の工程を基礎から学べるほか、自動車のエンジン制御といった、より実践的な技術なども習得できる。半導体を「作る側」にとどまらず「使う側」にも着目した形だ。

受講料は1講座当たりおよそ3万円だが、福岡県内の中小企業の従業員には補助金を出して、実質無料で受講できるようにする予定である。なお、講座は対面に加えてオンラインでも行われるため、全国から受講が可能になる。

同センターのセンター長を務める東京大学大学院の黒田忠広教授は、半導体産業において最も重要なものは人材であるとし、同センターでの人材育成について、「福岡を中心に、日本全国、あるいはアジア全体に広げる取り組みをしていきたい」と意気込みを述べた。