米Micron Technology社とTexas Insruments(TI)社は2021年6月30日、MicronのLehi工場(ユタ州)をTIに売却することで最終合意に達したことを発表した。売却額は9億米ドル。なお、Micronでは今回の工場譲渡に際して、工場事業売却に伴う収入以外に、同工場の特定の装置、資産の自社の他工場への移設・移管、売却によって約6億米ドルの相当の経済効果を見込んでいる。
Lehi工場は300mmウエハ対応で、2020年時点での生産能力は月産7万枚、対応プロセスは20nmノードまでとなっている。
買収後はTIの4番目の300mmウェーハ工場として65nm/45nmプロセスによる、アナログIC、組込プロセサなどの製造を行う。譲渡手続きは2021年末までに完了するが、TIでは2022年はラインの改造、立上げ、評価などにあて、同工場の売り上げへの貢献は2023年からと予想している。
Lehi工場は、米Intel社との合弁企業IM Flash Technology社(IMFT)の工場として稼働していたが、2018年にMicronがIMFTを完全子会社としたことに伴い、同工場もMicronの完全支配の工場となっていた。さらに次世代メモリとして開発を進めていた3D Xpoint、新しいメモリ配線技術CXL配線ソリューションの製造拠点として整備を進めていたが、同製品事業からの撤退に伴い、2021年3月に売却の方針を明らかにし、売却先を検討していた。