サムスン電子は、3月25日にHKMG(High-K Metal Gate)方式を採用したDDR(Double Data Rate)5規格のDRAMメモリモジュールを開発したと発表した。DDR5規格は現在の主流となるDDR4と比較して、メモリ1枚の容量が32GBから128GBに増量するとされる。入出力ピン当たりのデータ転送速度は、DDR4が仕様上最大3.2Gbpsであるのに対して、DDR5での最大データ転送速度は製品化時点で4.8Gpbs、仕様上で6.4Gbpsになる。
今回サムスンが発表したDRAMメモリモジュールは512GBの容量を持ち、1秒間に30Gbの映画を2本ダウンロード出来る性能を持つという。

サムスンでは、今回発表した製品の性能が既存のDDR4の2倍以上を示したと発表した。

今回の製品にはDRAMとして初のHigh-K Metal Gate方式が用いられており、これにより、高速化、消費電力の低減に効果があるゲート絶縁膜の薄膜化を促進しながらも、リーク電流を抑制することが可能となる。

さらに、このDRAMにはTSV(Through Silicon Via)も用いられており、8層を繋げることによって、容量の向上を果たしている。

DDR5規格のDRAMは20年10月にSK Hynixが先に発表しているが、SK Hynixの製品はDDR4の1.8倍で、TSVを利用しても最大容量は256GBとされていることから、現時点ではサムスン製の方が高性能と見られる。

今後、まずはデータセンタで利用され、英Omdiaの予測では、2022年にDRAM市場の10%、2024年には43%を占めると予測している。