蘭政府は1月15日、新たな輸出管理措置を4月1日より施行し、半導体製造装置などへの輸出規制を強化すると発表した。

蘭のクレーバー外国貿易開発相は新たな措置について、主に重点が置かれるのは特定の半導体製造過程で使用される測定及び検査装置の管理であると説明。今後、これらの装置をEU県外の国に輸出する際には政府による認可を受ける必要がある。

現状、輸出規制の対象はリソグラフィ装置などの限られた技術のみであるが、それ以外のプロセスで使われる装置が規制なしで輸出されることについて、先端半導体技術の軍事転用など、「安全リスクをもたらす可能性がある」と述べ、今回の規制強化の重要性を強調した。なお、米国も同日、軍事活動に使用可能な半導体製造装置の中国への供給を防ぐ目的で新たな対中輸出規制を発表しており、蘭も足並みを揃えた形となる。

今回の輸出規制強化に関し、半導体製造装置大手の蘭ASMLは声明を発表し、同社への影響は大きくないとの見解を示し、2025年の市場予測は変えていないということが伝えられた。

一方、中国商務部の報道官はこの件について蘭政府に対し、「強い懸念」を表明。蘭に「市場の原則と契約の精神を尊重し、両国を含む各国企業の正当な権利と利益を確実に守り、世界の半導体産業チェーン、サプライチェーンの安定を維持するよう望む」と呼びかけたという。