半導体向け工具大手の旭ダイヤモンド工業と半導体製造装置大手の東京精密は、2025年5月9日、合弁会社を設立したと発表した。ダイシングマシンに使われるダイシングブレードの一つであるハブブレードを開発し、量産販売を目指す。

合弁会社の社名は「AAダイヤモンドテクノロジー株式会社」。旭ダイヤモンド工業と東京精密が共に50%ずつを出資する。資本金は10億円。

ダイシングブレードには砥石がアルミの台金と一体にになったハブタイプと切刃だけで取り付け支持部を持たないリングタイプの2種類がある。半導体ウエーハの加工にはどちらのタイプも使用されているが、今回合弁会社で開発・製造するのは半導体ウエーハの加工に特化し、高精度の切断が可能なハブタイプのブレードである。合弁会社は、千葉県市原市にある旭ダイヤモンド工業の千葉鶴舞工場にパイロットラインを設置し、旭ダイヤモンド工業の持つダイヤモンド工具の開発力と、東京精密の持つダイシングアプリケーション技術を融合し、次世代半導体製造に対応した高品質かつ価格競争力のあるハブブレードの開発と試作を行う。

今後、合弁会社は鶴舞工場とは別の場所に量産工場を建設し、2027年度下期に量産を開始、初期の段階で市場規模の10~20%のシェアを目指すとしている。