半導体材料を取り扱う国内商社大手の長瀬産業は、Rapidus株式会社が北海道千歳市に建設する半導体工場に半導体材料を本州から北海道へ向けて輸送を手配する取りまとめ業者の1社に選定されたことを発表した。

長瀬産業は、半導体の製造に必要な主要材料の輸送取りまとめ業者として、サプライヤー各社が納入する材料を全国数カ所のターミナル拠点に集約し、各材料の適性に応じた輸送手段を見極め、IIM周辺の倉庫に納入する物流の取りまとめの役割を担うという。化学系専門商社として半導体製造に関わる約300社のサプライヤーとのネットワークがあること、創業190年を超える化学系専門商社として蓄積したケミカルの専門知識、危険物を安全に運ぶソリューションを含め環境に配慮した輸送スキームを提案したことなどが評価されたとしている。

半導体の製造工程では、リソグラフィーやエッチングなどで引火性の危険物である薬液や高圧ガスが使用されるが、青函トンネルではJR貨物の規約によりこれらの輸送が禁止されており、トラックや列車による陸上輸送に加え海上輸送が必須となっている。長瀬産業のグループ会社で危険物輸送の実績が豊富なセンコーナガセ物流株式会社(兵庫県尼崎市)、さらに商社業としてのネットワークでつながる商船業者と共に、Rapidus社が目指す最先端半導体国産化の実現を支えていくとしている。