中国最大のファウンドリであるSMICが、9月3日、上海に新たな半導体製造工場の建設を進める事を発表した。投資額は88億7,000万米ドルとされている。新工場は12インチのシリコンウエハを月10万枚生産する能力を持つとされる。同社では上海に14万枚を生産できるshanghai megafabを所有しているが、新工場の建設によって、2倍近い生産能力を所持することが可能になる。

さらに同社では、上海市政府直属の自由貿易試験区の管理委員会などと共同出資で新工場を建設し、運営する新会社を設立することで合意した。工場の建設によって、生産能力出資比率はSMICが51%以上、上海市政府側は25%以下となるとし、残りは他の出資者を引き入れる予定。

SMICでは米商務省からのエンティティリスト入りによる、最先端製造装置の調達が困難になる中、世界的な半導体不足を追い風に米国も含む世界中の受注を獲得しており、同社の4〜6月期の売上高は13億4,400万米ドルと、前年同期比43.2%と大きな成長を継続している。
同社では設備投資金額を一昨年の20億3,300万ドルから昨年は57億3,200万米ドルと大きく引き上げており、今後も好調な売上を背景に中国の半導体産業を支えるべく、積極的な設備投資を行っていくものと見られる。