東芝は2022年2月7日、自社事業グループの中核事業の一つであるデバイス・ストレージ事業(デバイスカンパニー)を新規上場会社としてスピンオフし、エネルギー・インフラ事業を行う、東芝と2つの独立した上場会社とする方針を明らかにした。デバイスカンパニーのスピンオフが効力を発生した場合、現在の東芝の株主は2社それぞれの株主となる。
今後、東芝の株主総会の承認、東京証券取引所の上場承認を含む関係当局の承認等の手続きを完了させ、2023年度下期にデバイスカンパニーを上場させ、今回の再編を完了させる計画である。
東芝は2021年11月12日、2つの中核事業を新規上場会社としてスピンオフし、キオクシアホールディングスの株式を所有する法人も会社として分割させ、3つの独立した会社とする再編計画を発表していた。しかし、発表後に詳細な検討を進めた結果、2つの上場会社とする方が分割コストが低減できることに加え、それぞれの会社の安定的な財務体質が確保でき、スピンスキームの不確実性を大幅に低減することが可能だと判断して、2分割へと方針を転換した。なお、キオクシアホールディングス株式会社の株式は東芝本体が継続して保有する。
デバイスカンパニーはパワーデバイス、光半導体、アナログIC、データセンタ向け大容量HDD、半導体製造装置などで構成され、現在は東芝デバイス&ストレージ株式会社が担当している。デバイスカンパニーの売上高は2021年度で8,600億円を見込んでいる。2025年度には1兆円の売上高を計画している。