半導体製造装置メーカー世界最大手である米Applied Materials（AMAT）は2023年5月22日、最大40億ドル（約5,500億円）を投じて、カリフォルニア州シリコンバレーの同社敷地内に研究開発（R&D）施設を新設すると発表した。

新たに建設するEquipment and Process Innovation and Commercialization Center（EPICセンター）は面積18万平方フィート（約1万7,000平方メートル）の大規模かつ最新鋭のクリーンルームを備え、基礎テクノロジー開発と実用化促進を同時に加速化するプラットフォームとなる予定である。同社の製造装置を使用する台TSMC、韓Samsung Electrics、米 Intelをはじめとした主要半導体メーカー各社はセンター内に専用スペースを構え、AMATの最新技術へのアクセスが一早く可能となる。アプライドマテリアルズは、「（各社が）自社施設に同等の機能を導入する場合に比べ、利用開始を数カ月ないし数年も前倒しできる」としている。

また、AMATは、研究開発センターを通じて、大学との結びつきも強化する構えである。大学研究者に対し、新設のEPICセンターや同社が管理する学内サテライトラボで産業規模の設備へのアクセスを可能にし、アイデアの実証やイノベーションの成功率の向上、新技術の商用化にかかる時間とコストの削減を提供する。同時に未来人材の育成への活用も期待される。

このEPICセンターは2026年に稼働を開始する予定であり、約2,000人の雇用の創出が見込まれている。