信越化学工業は2022年5月18日、GaN関連基板およびエピタキシャル膜製品の事業化に向け、量産体制を拡充することを発表した。
同社は、2019年に米国の基板メーカー、Qromis社との間で、高品質で反りが小さいGaN成膜が可能な基板材料(QST基板)のライセンス契約を締結した。QST基板はCMOSプロセスに最適であり、その特長を生かし、1,800V以上の耐圧が求められるパワーデバイス、5Gおよび 5G以降の世代向けのRFデバイスや、マイクロLEDディスプレイなどへの応用が期待されている。信越化学では、QST基板に独自の改良を加え、パワーデバイスと高周波デバイス向けの双方に求められる6インチ、8インチのGaNエピタキシャル成長用基板の供給体制を整えている。Qromis社との連携により更なる高品質化を進めるとともに、急速な需要の拡大に合わせ、生産体制の倍増に向けた投資を進めいく。
さらにシリコンウエハ子会社の信越半導体では、国内大手のディスクリート半導体メーカーであるサンケン電気とGaNエピタキシャル成長の技術供与契約を結んでいる。本契約により、信越半導体は、国内外にパワーデバイス用、高周波デバイス用及び発光デバイス用等のGaNエピタキシャル基板製品を製造、販売することが可能となっている。