スイスSTMicroelectronic社は2020年10月28日、アルバック、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)とともに、ピエゾMEMSの共同研究施設を設立することを発表した。この同施設のクリーンルールはSTのシンガポール工場(AMK)内に置かれ、“Lab-in-Fab”となる。 “Lab-in-Fab”は研究開発機能と量産工場機能を一体化することで、製品の開発から量産への迅速な移行の実現を目指す。STのプロセス技術、アルバックの製造装置技術、3者は共同で200mmウェーハ対応のピエゾMEMS向けのR&Dラインの立ち上げと運用を行う。
今回の施設では、AR/VR、医療や3Dプリンティンなどに向けてピエゾ・アクチュエータの開発、量産化を目指す。製品分野にはスマートグラス向けMEMS MirrorsやARヘッドセット、LIDARシステム、ピエゾ超音波トランスデューサ(PMUT)などの対応製品、アプリケーション開発を行っていく。
試作レベルでの最初のウェーハ出荷は2021年第2四半期で、2022年末までには量産出荷を開始する計画である。利用者は製品のフィジビリティ・スタディから量産への移行をこれまでより簡便に行うことができるようになる。