ソニーグループは5月14日、2023年度通期の決算を発表した。これによると、同社の半導体事業を手掛けるイメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の売上高は前年比14%増の1兆6,027億円となった一方、営業利益は9%減の1,935億円となった。モバイル向けイメージセンサーの増収と円安の影響により売上高は大幅に増収となったものの、減価償却費の増加および、モバイル向けイメージセンサー新製品の量産立ち上げにおける費用などの影響により減益となった。

同社は同分野における現状と今後の展望について説明。足元のスマートフォン市場は米国・アジアなどでの停滞が継続しており、グローバルでは常に緩やかな回復基調にあるとし、モバイルセンサー事業はセンサーの⼤判化と⾼付加価値化、市場シェアの拡⼤によって成⻑を続け、2024年度も、3年連続となる前年度⽐10%以上の売上成長を見込むとした。

また、センサー開発においては、今後のモバイルセンサー市場の⼤判化、⾼付加価値化に対応した画素の⾼性能化や特性改善に加え、⾼性能ながら製造⼯程数や⽣産性に配慮したセンサーの開発や、設計による⽣産歩留りの向上にも注⼒するとした。

加えて、同社が前年度から最重要課題として取り組むモバイルセンサーの歩留り改善については、計画を若⼲上回るペースで進捗しており、2024年度の損益影響は、前年度からはほぼ半減となる180億円程度まで圧縮できる⾒通しを示した。

こうした現状を踏まえ、同社は同分野における2024年度通期の見通しを、売上高が前年度比15%増の1兆8,400億円、営業利益が同40%増の2,700億円で、同分野としては過去最高となると予想した。

出典:ソニー 決算短信・業績説明会資料