6月17日、半導体受託生産最大手、台湾・TSMCが南部科学園区(南科))嘉義園区(嘉義県太保市)で進められていた先端パッケージング工場(P1)の建設工事で、遺跡のようなものが見つかり、作業が中断されたことが明らかになった。

嘉義園区に建設する工場はP1とP2の2期からなり、用地は計20ヘクタールで嘉義園区の開発面積の約2割を占める。P1工場は5月に着工済みで、2026年末に完成、2028年にAI半導体などのチップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS)を開始する計画だった。ところが5月末、P1の建設地で遺跡らしきものが発見され、6月初めに文化資産審議会が開かれた。文化資産保存法に基づき、発掘作業が行われることになったため、P1工場の建設を一時停止することが決定された。

南科管理局によれば、今後はP2の先端パッケージング工場を先に建設する方針であり、完工予定時期に大きな影響を与えるものではないとのことである。

嘉義園区は、台湾南部の半導体クラスター「南部半導体S廊帯」推進のための重要拠点となる。2nmプロセスの後工程となるCoWoSについては現在、台中と苗栗県竹南に対応工場があり、2025年末には月産能力は6万枚になる予定であるが、供給不足の状態が継続する見通しで、嘉義園区の工場完成が待たれる。また、嘉義園区ではCoWoSの他、3DパッケージングであるSoIC(システム・オン・インテグレーテッド・チップス)なども導入する予定となっている。