GNC letter
GNCレター
富士フイルムは2025年12月9日、AI(人工知能)向け半導体などの後工程に使用されるポリイミドを中心とした感光性絶縁膜材料の新ブランド「ZEMATES」を立ち上げたと発表した。近年の半導体市場拡大に対応するため、開発や販売を強化する。
AI向けなどの先端半導体では、半導体の性能向上や低消費電力化の要求に対応するため、複数のチップを一つにまとめる先端パッケージングの需要が高まっている。その中で、チップ間を接続するための再配線層の層間絶縁膜に使われ、配線の微細化、平坦化、低熱膨張率、低誘電率の実現に寄与する感光性絶縁膜材料の市場は、年15%の大きな成長が見込まれるという。
「ZEMATES」の製品ラインアップには、再配線層(RDL)用および保護膜層用の液型ポリイミドや保護膜層用のPBO(ポリベンゾオキサゾール)などが含まれる。これらは耐熱性と絶縁性を兼ね備えた信頼性の高い材料として、パワー半導体から高性能AI半導体まで幅広い領域に使われている。現在、日米欧3拠点から国内外の半導体メーカーに供給している。
また、同ブランドには新たに開発したフィルム型ポリイミドも含まれる。フィルム型は再配線層の配線の微細化や基板大型化に必要なPLP(パネルレベルパッケージプロセス)にも対応できるようになり、現在液型が使われているインターポーザーに加え、ビルドアップ基板へも用途拡大が見込まれる。また、液型で必要なスピンコートによる塗布が不要で、形成する絶縁膜を平坦化しやすいため、ビルドアップ基板の多層化に伴う膜表面の凹凸やうねりを抑制できる。
同社によれば感光性絶縁膜材料の世界市場は2030年に24年比で2倍強の3,300億円に成長する見通し。同社は今後、液型ポリイミドを中心としてさらなる拡販を進めるとともに、新たに開発したフィルム型ポリイミドを早期に上市し、液型ポリイミドで得た顧客からの信頼を梃に拡販することで、2030年度までに感光性絶縁膜材料事業の売上高を2024年度比で5倍に拡大させることを目指す。
出典:富士フイルム ニュースリリース
半導体/MEMS/ディスプレイのWEBEXHIBITION(WEB展示会)による製品・サービスのマッチングサービス SEMI-NET(セミネット)