米Micron Technologyは1月8日、シンガポールに高帯域幅メモリー(HBM)向けの先端パッケージング工場を建設すると発表した。人工知能(AI)向けサーバーなどの需要拡大に対応する。投資額は約5年で70億ドルとなる見込み。

HBM向け先端パッケージング工場の建設はシンガポールでは初めてとなる。新工場はシンガポール北部ウッドランドにある同社の前工程工場に隣接する形で建設される。稼働開始は2026年を予定し、2027年から先端パッケージングの生産能力を大幅に拡大する計画である。また、今回の新工場建設により、パッケージ開発、組み立て、テスト業務などで当初は1400人、将来的には約3,000人の雇用を創出する見込みである。なお、温室効果ガス削減、水のリサイクル、廃棄物の循環性(削減、再利用、リサイクル、回収)など、環境にも配慮した施設となる。

新工場は同日に着工。起工式にはシンガポール副首相兼貿易産業大臣のGan Kim Yong氏や経済開発委員会会長のPng Cheong Boon氏などが出席した。Png Cheong Boon氏はMicronの今回の投資について、「世界の半導体サプライチェーンにおける重要なノードとして、シンガポールの競争力が高く評価されていることを反映している」としたうえ、「この計画は、シンガポールとMicronのパートナーシップを拡大し、シンガポールの半導体エコシステムをさらに強化するものだ」と述べた。

また、Micronの最高経営責任者(CEO)を務めるSanjay Mehrotra氏は、「AIの導入が産業界全体に広まるにつれて、先端メモリとストレージソリューションの需要は引き続き堅調に増加するだろう」としたうえ、「今回のHBM先端パッケージング施設への投資は、今後拡大するAIの機会に対応する当社の立場を強化するものだ」とし、新工場建設の意義を強調した。