株式会社日立ハイテクは、2021年12月13日に電子線広視野検査システム「GS1000」を開発したことを発表した。

このシステムは、実績のある高速検査SEMと共通のプラットフォームを用いて高精度・高スループット検査を実現するとともに、CD-SEMの技術ノウハウを適用することで、高速多点計測にも対応している。

同社では、このシステムを開発した背景にEUVデバイスの普及により、より微細な回路パターンを安定的かつ正確に検査計測できる技術が、プロセスや歩留まりの管理に必要とされている。特に、EUV露光特有の回路線幅のばらつきや、ランダムに発生する微小Stochastic欠陥の低減など、高品質なEUVマスクを確保することが最重要とされており、検査計測ポイント数の増加に伴う高スループットな検査計測のニーズが高まっている。

そのため、この「GS1000」には、

最先端の電子光学系設計により開発された収差補正器を使用したことで、広視野移動領域内における分解能を劣化させることなく、電子線をウエハへ垂直に照射することができる高速・広視野検査計測が可能な新システムと、4K画像の高速撮像と画像転送サーバを用いた並列処理によるリアルタイムなDie to Data base計測(ウエハの一部領域(Die)と同領域の設計デザインデータを比較検査測定するアルゴリズム機構)を実行して超高速のデータ転送と高スループットを実現し、更に検査計測ポイント数の増加による大容量データ処理、プロセスのバラツキや微小欠陥の認知も高速かつ高精度に行うことが可能なAI技術を取り入れたDie to AI検査(ウエハの一部領域(Die)を、AIを用いて検査するアルゴリズム手法)を取り入れた、高速大容量の画像処理システムを備え、検査の高速化を実現する。

このシステムはウエハ欠陥検査装置として応用される。