東京エレクトロンは8月8日、2025年3月期第1四半期(4~6月期)の決算を発表した。売上高は前期比1.4%増、前年同期比41.7%増の5,550億円となり、市場予想の5,024億円を上回る結果となった。また、営業利益は前期比14.1%増、前年同期比101.1%増の1,657億円、純利益は前期比1.0%増、前年同期比96.2%増の1,261億円となり、同期では過去最高益となった。

アプリケーション別の売上高比率をみると、ロジック・ファウンドリなどの非メモリ向けが72%を占める。生成AIサーバー向けの大型投資が相次いだことが同社の収益を引き上げる要因となっており、特に、先端パッケージングやテスト工程(ウエハプローバ)での引き合いが急増しているという。加えて、円安による影響も大きかったものと見られる。

AIサーバー向け需要は引き続き好調が持続するものと見込む。一方、メモリ向けでは、DDR5やHBM等の需要増に加え、PC・スマートフォンについても市場が回復基調にあるとしている。なお、2025年にはAI搭載PC・スマートフォンの需要拡大を見込んでいる。

地域別の売上高比率をみると、中国向けが49.9%となっており、前年同期よりも10%ほど増加しており、同社の売上を支えている。但し、同社によれば、中国顧客の設備投資は減少する見込みで、第4四半期には中国向けの売上高は30%台へと下がっていくものとしている。

4~6月期の実績と市場動向を踏まえ、同社は2025年期の業績予想についても発表、売上高は前期比25.6%増の2兆3,000億円、営業利益は前期比37.4%増の6,270億円、純利益は前期比31.3%増の4780億円に上方修正した。なお、アプリケーション別の売上高比率については、下半期のメモリ需要拡大の見通しを踏まえ、従来予想よりも、メモリ向けの売上高比率を拡大させた。DRAM需要拡大により、中国向け出荷の減少による影響は相殺されるものと見ている。