台湾電機大手の鴻海精密工業(Foxconn)は2025年5月19日、仏Thales SA、仏Radiall SAと合弁会社を設立し、半導体先端パッケージング・テスト受託(OSAT)工場を仏国内に建設すると発表した。自動車や航空・宇宙産業、次世代6G通信向け、防衛産業向けの市場を狙う。

Thales SAはThalesグループ傘下の多国籍企業で、航空宇宙、防衛、輸送、セキュリティ部門向けの電気システム、デバイス、機器の設計、開発、製造を行っている。一方、Radiall SAはコネクタの専業メーカーで、航空宇宙産業や防衛産業向けに供給している。

協業先を含めた総投資額は2億5,000万ユーロ(約400億円)を予定する。将来的にはFOWLP(Fan-out Wafer Level Packaging)技術を獲得し、欧州初のFOWLP先端パッケージング・テスト工場とすることを目指すという。

なお、FoxconnとThales SAは通信衛星の分野での協業も同時に発表しており、多数の期待を一体運用するコンステレーションの技術・製品開発を目指すとしている。そのため、OSAT工場建設における協業も通信衛星産業を見据えたものとみられる。ひいては、台湾の国防という部分にまで繋げることを想定しているとも考えられる。

Foxconnはこれらの協業について、「Foxconnが欧州に根付くのを助け、世界のサプライチェーンを強靭にする」と、その重要性を強調した。なお、工場の稼働時期などについては明らかにされていない。

出典:鴻海精密工業 最新消息