日揮ホールディングス(HD)傘下の日本ファインセラミックス(JFC)は7月18日、宮城県富谷市に建設していたパワー半導体向け絶縁放熱基板(高熱伝導窒化ケイ素基板)の新工場が完成し、竣工式を実施したと発表した。

同社が生産するパワー半導体向け絶縁放熱基板は、高い熱伝導率に加えて、優れた機械的性質や絶縁性を有する。近隣の既存向上で2020年から量産を開始し、2023年10月に追加増産のため、富谷事業所で稼働を開始していた。その後、パワー半導体回路基板メーカーからの更なる増産要請に備えるため、100億円を投じ、新工場を建設するに至った。

新工場は日揮HDが取得した12.5ヘクタールの用地の一角。新工場は第5工場と第6工場の2棟からなり、稼働すれば基板の生産能力は現在の約2倍となる。従業員数は近隣工場と同規模の100人前後になると見込む。また、工場が立地する用地には拡張の余地が十分にあり、更なる生産拡大にも備えることができる。

竣工式ではJFCの田中宏社長をはじめ、村井嘉浩宮城県知事、若生裕俊富谷市長、経済産業省東北経済産業局の佐竹佳典局長などが出席した。式典で田中社長は「(パワー半導体を使う)電気自動車(EV)の市場は足元で停滞しているが、EV化は今後着実に進むと確信している」と強調した。

出典:日本ファインセラミックス ニュース