韓サムスン電子は、12月10日、韓国で110インチのマイクロLEDテレビを発売した。価格は日本円で約1,600万円。

このマイクロLEDテレビは、4KHDRコンテンツの表示が可能だという。
特筆すべきは110インチを4分割することで、4つの55インチの画面を表示できるマルチディスプレイになるという。

サムスンはマイクロLEDテレビ分野では先行しており、2018年には初めての製品、The Wallを発表している。当時は146インチで価格が4,000万円程度と言われていたが、今回の製品でインチサイズは縮小したものの、価格は半分以下にまで抑えられている。
マイクロLEDは、100μm以下のサイズのLEDを意味し、液晶に搭載されるバックライトLEDとは違い、マイクロLED自らが画素となり、発光する。
自己発光であるため、エネルギー効率が高い、消費電力が少ない、太陽の下でも鮮明な表示が可能。といった長所がある。

短所は、小型のLEDを1つのディスプレイに数千万個埋め込む必要があり、実装コストが高くついてしまうことと、不良率を低くしなければならないこと等がある。ただ、コストに関してはサムスンは今後3年で75インチを30万以下まで抑えるという報道もあり、新しい生産技術とともに劇的に下がっていく可能性がある。

国内ではソニーがCrystal LEDの名前で開発を続けており、資生堂や三菱自動車などに、大画面ディスプレイを業務用で納入している。ソニーの特徴は、1つのLED光源を0.003mm²のサイズで製造していることで、世界最小とされている。
その他、国内では、JDI、シャープが主に小型向けで研究開発を行っている。