半導体製造装置の部品を手掛けるフェローテックホールディングスは10月13日、熊本県大津町に建設する新工場に計160億円を投資すると発表した。同一敷地内に工場2棟を建設する予定で、隣接する菊陽町に建設中の台湾・TSMCの新工場完成が近づき、製造装置や関連部品の需要拡大を見込み、当初計画より投資額を3倍以上に増やす。

新設する工場2棟のうち1つは、前工程で使用される石英製品の工場で3階建てとする計画で、投資額は100億円、2025年1月の稼働を予定している。また、もう1つの棟は半導体装置、部品の洗浄や修理、メンテナンスを手掛ける工場で2階建てとし、60億円を投じ、2024年12月の稼働開始を予定している。

2022年5月時点では新工場への投資額を総額47.5億円としていたが、需要の拡大に備えるために計画を変更し、用地を拡大した。

同日、熊本県庁で行われた調印式に出席した同HDの山村丈副社長は「台湾積体電路製造(TSMC)やソニーグループの工場に近い好立地で、納期やコストを削減できる。100億円の事業規模を目指す」と、新工場への期待を述べた。