SEMIは10月11日、最新の300mm Fab Outlook Reportを発表した。同レポートでは、世界の300mmウエハ対応工場(以下、300mm工場)の生産能力が2022年から2025年にかけて年平均成長率(CAGR)10%で成長し、2025年には過去最高となる月産920万枚に到達すると予測している。この成長要因は、車載半導体の旺盛な需要と複数の地域での新たな政府投資及び産業支援となっている。
今後は米GlobalFoundries社、Intel社、Micron Technology社、韓国Samsung Electronics社、米SkyWater Technology社、台湾Taiwan Semicondutor Manufacturing(TSMC)社、米Texas Instruments(TI)社などが発表した新規ファブが2024年あるいは2025年に立ち上がり、半導体需要の増加に対応することになる。

また、2021年から2025年にかけての製品別の生産能力増加率ではパワー関連の生産能力のCAGRが39%と最も高く、次いでアナログが37%、以下ファウンドリが14%、オプトが7%、メモリが5%と続いていく。
地域別にみると、中国は国内チップ産業への政府投資の増加などにより、300mm工場の世界シェアが2021年の19%から2025年には23%に拡大し、月産230万枚に達すると予測している。これにより中国は300mm工場生産能力で世界トップの韓国に迫り、来年には現在2位の台湾を追い抜くことが予想されている。
この結果、同期間では、台湾の生産能力シェアは1%減の21%に、韓国のシェアも1%減の24%になると予測されている。日本の300mm工場の生産能力の世界シェアは他地域との競争激化により2021年の15%から2025年には12%に低下する見通しである。
南北アメリカの300mm工場生産能力の世界シェアは、CHIPS法の資金援助もあり、2021年の8%から2025年には9%に上昇すると予測される。同期間中、欧州/中東も欧州CHIPS法の資金援助により、生産能力シェアが6%から7%に上昇すると予測されている。東南アジアの生産能力シェアは5%を維持すると見込まれる。
SEMIのAjit Manocha会長CEOは「一部のチップは供給不足が緩和したが、それ以外はタイトな状態が続いており、半導体業界は300mm工場の生産能力を拡大して、幅広い新興アプリケーションの長期的需要を満たすための基盤を構築している状況だ。SEMIは現時点で2022年から2025年にかけて、67件の新規300mmファブあるいは大規模なライン増設を捕捉している」としている。