半導体受託生産大手、米GlobalFoundriesは2025年7月8日、AIとプロセッサIPのリーディングサプライヤーである米MIPS Technologyを買収すると発表した。買収額は明らかになっていないが、2025年の下半期には株式の取得が完了する見込みである。

MIPSは自動車、産業用、および組み込み市場向けの自律型プラットフォーム向けコンピュートサブシステムのトッププロバイダーであり、40年にわたりRISCコンピューティングの革新に携わってきた。近年ではRISC-Vへの全面的方向転換の流れに乗り、長年培ってきたプロセッサ設計のノウハウをRISC-V上に展開している。その成果として、プロセッサポートフォリオ「Atlas」シリーズを提供することで、産業用ロボットや自動運転車などへのPhysical AIの導入の簡素化を図っている。

今回の買収により、GlobalFoundriesは単なる製造サービスからポートフォリオを拡大。MIPSが持つRISC-VベースのプロセッサIP、AI推論アクセラレータ、各種センサー技術などを組み込むことにより、差別化されたプロセス技術と最適化されたIPやソフトウェアを組み合わせた、より完成品に近いソリューションが提供可能となる。

GlobalFoundriesの社長兼最高執行責任者(COO)を務めるNiels Anderskouv氏は「この買収は、自動車、産業用、そしてデータセンターインフラといった広範な分野において、効率性と性能の限界を押し広げるための強力な一歩となるだろう」と、買収の意義を強調した。

なお、MIPSは、GlobalFoundries傘下で引き続き独立した事業体として運営され、幅広い技術分野にわたる顧客にサービスを提供するとしている。

出典:Global foundries latest news