伊高級自動車メーカー、フェラーリの次期CEOにスイスの半導体メーカーSTMicroelectronics社のアナログ・MEMSセンサーグループの社長を務めるベネデット・ビーニャ氏が就任することが発表された。

ビーニャ氏は、1969年イタリア生まれ。STのMEMS部門を立ち上げ、その後STのMEMSセンサが大手メーカー各社のモーション・ベースのユーザ・インタフェースに採用され、業界における主導的地位を確立することへの主導的な役割を担う。

マイクロマシンに関する特許を200件以上持ち、MEMS Industry GroupのExecutive of the Year Award(2013年)、European SEMI Award(2013年)、IEEE Frederik Philips Award(2015年)、およびドイツ「Markt & Technik誌」のManger of the Year(2017年)を受賞するなど、業界からの評価は高い。

今回の人事の背景には、自動車を取り巻く急速な電動化とも関わりがあると見られる。電動化の波は一般自動車メーカーだけではなく、高級自動車メーカーにもすでに波及しており、独ポルシェは2020年にピュアEVの「タイカン」を発売。伊ランボルギーニも2024年末までに全車を電動化するとしている。フェラーリも例外では無く、2025年に初の電動モデルを発売するために現在開発を続けている。

それに加え、STは日産やトヨタ、BMWも採用するモービルアイのSoCチップeyeQ4を製造し、それ以降のeyeQ5、eyeQ6にも関わるなど、車載半導体にも強みを持ち、今回の人事は車載半導体の開発、調達においても強い力を発揮すると見られる。