ニコンは2020年11月5日、2020年度上期(2020年4〜9月)業績を発表した。露光装置を含む精機事業の売上高は前年度同期比45.8%減の638億1,700万円、営業損益は前年同期から321億500万円悪化し、60億5,200万円の損失となった。
半導体露光装置分野では、主要顧客の投資一巡の影響等もあり販売台数が減少。更に、開発及び改造目的で設備転用する装置等などについて廃棄・評価損を計上し、大幅な減益となった。
FPD露光装置では、2020年7月から据付作業を再開したものの、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う渡航制限などの影響により、据付できた装置は限られた。これにより、装置販売台数が減少し、減収減益となった。
売上台数は、半導体用が新品装置6台、中古装置3台、合計9台、FPD用が5台となった。中古装置を含む半導体用露光装置の光源別販売台数は、i線が1台、KrFが2台、ArF(ドライ)が4台、ArF液浸が2台となった。
FPD用露光装置の世代別売上台数は、5/6世代向けが1台、10.5世代が4台となった。
20年度通期の精機事業の業績見通しは、売上高が前年度比28.6%減の1,750億円、営業利益が前年度から470億円減の10億円と予想している。
半導体用露光装置が新品17台、中古装置10台の合計27台(前年度比18台減)となった。新品装置は前年度から半減する見通しである。光源別売上台数見通しは、i線が10台(同4台減)、KrFが3台(前年度と同じ)、ArF(ドライ)が7台(同7台減)、ArF液浸が7台(同7台減)と見込んでいる。上期と同様に、主要顧客の投資一巡、コロナ禍の影響による装置納入、発注遅延などもあり、大幅な減少が見込まれている。
FPD用露光装置は前年度比5台減の22台と見込んでいる。このうち5/6世代が9台(同5台増)、7/8世代が2台(同3台減)、10.5世代が11台(同7台減)と見込んでいる。中小型パネル用の設備投資が回復基調にあり、大型パネル用投資も堅調であることから、第1四半期業績発表時点の見通しから上方修正(4台増)を行うことになった。